介護保険では、要介護度に応じて月あたりの支給限度額が決まっています。限度額までの範囲であれば、サービスの利用に応じて自己負担分は1割(一定以上の収入がある場合は2割)ですが、 限度額を超えると原則、全額自己負担となります。 介護保険のサービス利用料の1割(一定以上の収入がある場合は2割)自己負担額は全体の平均で1万円でした。また全額自己負担分の全体平均は5千円で、 両者を合計した介護保険の介護サービス利用の負担総額は全体平均では1万6千円でした。
多くの世帯では、サービス利用は介護保険の限度額の範囲内であるため、 全額自己負担分の支出がありません。一方で世帯の数は多くありませんが、 全額自己負担分の支出があった世帯では、平均金額を大きく上回る支出をしていました。 そのため支出があった世帯と、なかった世帯とでの金額の差は大きくなっています。
全額自己負担分の支出が発生するのは、(1)保険給付対象外の居宅介護サービスを利用した、 (2)一時的に介護保険サービスをたくさん利用した、などの場合です。要介護認定の段階ごとに決められている介護保険の限度額を超過してサービスを利用した場合の利用料は、全額(10割)自己負担となりますので、高額となりがちです。
全額自己負担分のグラフの数字は、全額自己負担で高額の支出があった世帯の影響を大きく反映していることに留意してください。
2016年調査では、要介護度が低い世帯が多く、2011年度調査に比べて全体の平均額は低くなっています。また、要介護度別にみた場合、対象世帯数が少ないことの影響にも留意が必要です。