介護保険では、要介護度に応じて月あたりの支給限度額が決まっています。
限度額までの範囲であれば、サービスの利用に応じて自己負担分は1割ですが、
限度額を超えると原則、全額自己負担となります。
介護保険のサービス利用料の1割自己負担額は全体の平均で1万3千円でした。
また全額自己負担分の全体平均は2万4千円で、
両者を合計した介護保険の介護サービス利用の負担総額は全体平均では3万7千円でした。
多くの世帯では介護保険の支給限度の範囲内でサービスを利用しています。
ただ、限度以上の介護サービスを利用している世帯では、
介護保険ではカバーされない部分で負担が重くなっており、
要介護度が高いほど全額自己負担額も多くなっています。
全額自己負担分の支出が発生するのは、(1)事業者のサービスを中心とした在宅介護をしている場合
(2)普段介護している家族が病気になった、あるいは要介護者の状況が悪化したときなど、
一時的に介護サービスをたくさん利用した、などの場合です。
要介護認定の段階ごとに決められている介護保険の限度額を超過して、
サービスを利用した場合の利用料は、全額(10割)自己負担となりますので、高額となりがちです。
図示はしていませんが、中央値では介護保険によるサービス利用1割負担分1万円、
全額自己負担分500円、介護サービスへの支出合計1万1千円でした。
とくに、全額自己負担分の平均値と中央値の間にはとても大きなズレがあります。
多くの世帯では、サービス利用は介護保険の限度額の範囲内であるため、
全額自己負担分の支出がありません。一方で世帯の数は多くありませんが、
全額自己負担分の支出があった世帯では、平均金額を大きく上回る支出をしていました。
そのため支出があった世帯と、なかった世帯とでの金額の差は大きくなっています。
全額自己負担分のグラフの数字は、全額自己負担で高額の支出があった世帯の影響を大きく反映していることに留意してください。